血管撮影システムTrinias series unitysmarteditionの紹介


株式会社島津製作所
●執筆者:株式会社島津製作所医用機器事業部 加藤正樹

はじめに

2012年10月に血管撮影システムTriniasシリーズを発売以来、当社では臨床現場のニーズに応えるべく様々なブラッシュアップを行い常に先進の機能を世に送り出してきました。今回ご紹介するのは2018年4月に新たに発売したTriniasseriesunitysmarteditionです。

新設計とシステムコンセプト

Triniasseriesunitysmartedition(以下、unitysmartedition)は、1台で様々な治療に対応し、限られたスペース・少人数のスタッフでも高度なインターベンションを行えるよう設計されたモデルです。12×12インチFPDもしくは16×12インチFPDを搭載し、医療施設の用途に応じて最適なシステムを選択いただけるラインナップを揃えています(図1)。以下にシステムコンセプトをご紹介します。

すべてがもっとうまくできる

省スペース、少人数での高度なインターベンションを実現するため、unitysmarteditionではシステム構成を一新しました。
・ルームレイアウトの自由度を高めるために機械室の設置面積を約30%削減・操作室でのワークスペースを確保するために操作室キャビネットを廃止
・Cアームアンギュレーションの自由度を高めるためにFPDカバーを極小化(図2)

・検査部位の様々な視野に対応するためにC16タイプではFPDをポートレートあるいはランドスケープに回転が可能・最新のタッチパネルとレバーを併用したデジタルユーザインターフェース「SMARTTouch」(図3)を検査室・操作室に標準装備

・術者の視線移動を最小にするために、メインのライブモニタ上にX線条件、線量情報、ポジショニング情報など統一して表示
・透視、撮影だけでなくテーブル動作などよく使う機能を自由にカスタマイズできるワイヤレスフットスイッチを新設計

もっと安心な、もっとゆるぎない日本クオリティを

unitysmarteditionでは、お客様と患者様の双方へ、より高い信頼と安心を提供することを最重要視しています。システムの信頼性向上を図るために、新しい通信方式も導入し操作室と機械室を繋ぐケーブル本数を1/7に減らすなど、シンプルな設計を追求しました。特に、製造から品質検査までの全工程を京都本社工場で一貫して行うことで、優れた製品品質を実現しています。また、メンテナンス体制も強化し、カスタマーサポートセンターによる24時間365日(一部地域除く)のサポート体制を完備するとともに、お客様のシステム状況を常時オンラインで把握できるようにすることで装置の故障を未然に防止するための予防措置が可能となっています。

minimallyinvasiveexperienceでひらける新しい未来

「Trinias」シリーズでは以前より「被ばく低減」「造影剤の削減」「検査時間の短縮」といった面から、トータルでの「低侵襲」を大きなテーマとし、リアルタイム性を追求したアプリケーションを開発してきました。unitysmarteditionでは独自の画像処理技術であるSCOREImagingをより進化させ、新しいminimallyinvasiveexperienceを実現しています。

1.PCI支援アプリケーションSCORE StentView/SCORE StentShot

カテーテル操作を行いながらでも、リアルタイムでステント強調・固定表示が行え、特に追加のステントの位置合わせなどに高評いただいているSCORE StentViewに加え、新しいアプリケーションであるSCORE StentShotが搭載可能です。SCORE StentShotはSCORE StentViewのリアルタイム性はそのままに、X線ばく射中の全てのフレームを逐次積算することで、より詳細なステント像を得ることができます(図4)。逐次積算されていくステントがリアルタイムでライブモニタに表示されるため、ステントの形状が確認できた時点でX線ばく射を止めることができ、不要な被ばくを避けることが可能です。

2.EVT支援アプリケーションSCORE Chase

マスク像の撮影が不要で、動きに強い周波数サブトラクションアプリケーションであるSCORE RSMは、下肢のように血管長の長い領域における追跡撮影で広く利用されてきました。SCORE Chaseはデジタルシステムと患者テーブルの連携を強化し、SCORE RSMにより、追跡撮影を行った画像を自動で繋ぎ合わせ、撮影した全域を一度に観察することができるアプリケーションです。繋ぎ合わされた全域画像は、追跡撮影の後、瞬時に表示されるため、検査中に待ち時間なく使用していただけます。テーブルの長手方向の移動だけでなく、横手方向の移動にも対応しているため、フリーパニングでの追跡撮影から全域画像の作成が可能であり(図5)、簡単なワークフローで使用していただけます。

むすび

今回ご紹介した「Trinias series unity smart edition」は、Trinias seriesでこれまで取り組んできた低侵襲治療支援の技術をベースに、ますます高度化、多様化するインターベンションを支援するシステムとして進化・深化したシステムです。今後も臨床現場からのご要望に即したシステムの開発に取り組みたいと思います。

One Point Comment│横井宏佳(福岡山王病院 循環器センター)

90年代初め、私が初めて本格的にPCIを初めた時のシネアンギオ装置は国産の島津製作所のものであった。その時代、外国製のシネアンギオ装置が高価であるため、より適切な価格で、より被ばく量が少なく、よく見える、操作しやすいシネアンギオ装置を追求していた。本社の技術者の方が夜遅くまでカテ室に留まり、診療放射線技師と議論し、装置を改良する姿は、日本のモノづくりの真髄を見る気がした。あれから30年が経過し、島津のシネアンギオ装置は世界に誇れる技術と信頼のおける品質、性能で、日本だけでなく世界へ発信されている。本年4月に発表されたTrinias series unity smart editionは、PCIのみならず全身血管に対するEVT治療を行うことが日常となった循環器医にさらなる福音をもたらす。以前より搭載されていたSCORE RSMは小パネルしかないPCI専用シネアンギオ装置でも下肢末梢の追跡造影画像をDSA画像処理することができ、大変有用であった。今回のSCORE ChaceはSCORE RSMにより追跡造影を行った画像を自動で繋ぎ合わせ、撮影した全域を一度に表示可能なアプリケーションであり、被ばく低減、造影剤の削減、検査時間短縮のトータルでの低侵襲に貢献できる。グローバルに認知されているJAPAN QUALITYを、シネアンギオ装置の分野でさらに浸透させて欲しい。